ワトコオイル、オスモカラー、ブライワックスの違いをプロに聞く

木材の仕上げにどんな塗料を選べばいいか、DIY好きには悩ましい問題です。代表選手といえる木部用塗料は、ワトコオイル、オスモカラー、ブライワックスの3種。基本的な特徴と違いについて、DIYの建材やパーツ、リノベなどのアイデアが見つかるショールーム「toolbox」のスタッフに聞きました。

toolboxのミキシングバーで木部用塗料を体験

ワトコオイル、オスモカラー、ブライワックスといえば、どれも木材の質感を残して自然な風合いに仕上げることができる塗料です。でも「それぞれにどんな特徴があってどこがちがうのか」はプロに聞かなければ、なかなかわからないと思います。

そこで、訪れたのが昨年リニューアルした東京・目白にあるtoolboxのショールーム。

toolboxのショールーム

こちらには木部用のオイル塗料やワックスを素材サンプルに実際に塗って試すことができる「ミキシングバー」という専用コーナーがあるのです。

toolboxミキシングバー

スタッフの佐古加奈子さんのレクチャーを受けながら、ワトコオイル、オスモカラー、ブライワックスの3種を塗りくらべさせていただきました。

ワトコオイル、オスモカラー、ブライワックスを塗りくらべ

3種の塗料にはそれぞれ独自のカラーバリエーションがありますが、なるべく色味をそろえるためにクリアー/ナチュラル系の色でくらべてみることにしました。

ワトコオイルはサラサラなので初心者でも簡単に塗れる

まずはワトコオイル(WATCO OIL)の「ナチュラル」から。

ワトコオイルの「ナチュラル」

ワトコオイルは、スポイトで移せるくらいのサラサラとした質感が特徴です。

サラサラとした質感のワトコオイルを容器に

塗装にはハケを使います。

ワトコオイルをハケに

容器のフチで余分な塗料を落としてから塗りましょう。

ワトコオイルを塗る

スーッと伸びていき、とても塗りやすいです。

余分なワトコオイルをふく

光を当ててみて少し塗料が多い箇所があれば、布で余分な塗料をふき取るとよいそうです。

ワトコオイル塗装後

スタッフの佐古さんが「ワトコオイルは木枠や建具の細かい部分を塗るのに便利です」とおっしゃっていましたが、今回試した3種のなかでは、いちばん塗りやすいと感じました。

ただし、3種の塗料のなかでは乾くまでの時間が長く、完全乾燥までに24時間以上が必要です。塗装後の使用は翌日以降がいいでしょう。

ワトコオイルの缶

ワトコオイルは小さめの缶もあるので気軽に入手できるのもポイントです。

ワトコオイルは異なる色を混ぜて自分だけの色が作れる

ここで少し脱線して、ワトコオイルの特徴である「調色」についてもご紹介しましょう。toolboxのショールームでは色ごとに瓶に入れられて並べられており、さまざまな組み合わせを実際に試すことができます。

ワトコオイルを調色するためのミキシングバー

このコーナーが「ミキシングバー」と名付けられているゆえんです。今回は、スタッフの佐古さんおすすめの「通称:ラワン色」を作ってもらいました。混ぜるのは、赤みが強い「チェリー」とスタンダードな茶色の「ミディアムウォルナット」。

「チェリー」と「ミディアムウォルナット」

これらを1:1で混ぜて、赤みがかった茶色を調色します。

ワトコオイルを混ぜる

塗装した木材サンプルがこちら。

ワトコオイルを塗装したサンプル

左が「チェリー」、真ん中が調色した「ラワン色」、右が「ミディアムウォルナット」です。赤みがかったブラウンはちょうど両者の中間の色。

最近、あまり出回ることのない昔のラワン材の色をイメージしているそうです。こんなふうに自分だけの色を調色できるのはワトコオイルならではの特徴なのです。

オスモカラーは防汚・撥水性や安全性が魅力

さて、比較に戻って次はオスモカラー(OSMO COLOR)の「フロアクリアー 3分つや」を試します。

オスモカラーの「フロアクリアー」

本来は缶に入っていますが、今回はサンプルパウチから容器に入れます。

オスモカラーを容器に

ごらんのとおり、先ほどのワトコオイルとくらべると、白濁してドロリとしています。

オスモカラーをハケに

ハケの毛先にちょこんと塗料をつけます。つけすぎに注意。

オスモカラーを塗る

粘度が高いぶん、塗装の際にはムラができないように気をつける必要があります。ワトコオイルとくらべると、筆にやや抵抗を感じ、若干塗りにくい印象です。

塗料の粘度が高いこともあり、細かい木目の中に塗料が入っていきにくいこともあります。ときどきハケを立ててあげたりすると、塗り残しができにくいかなと思いました。

オスモカラー塗装後

色合いとしてはワトコオイルと大きなちがいはなさそうですが、「オスモフロアクリアーは防汚と撥水の性能に長けているので床におすすめです」とは佐古さんの言葉。塗装サンプルで面白い実験をして見せてくれました。

塗装後に水をたらしてみました。しっかりと水をはじいているのがわかります。

オスモカラーに水をたらす

2分ほど待ってふき取りましたが、跡は残りませんでした。

一方、ワトコオイルを塗ったサンプルで、同じように水をたらして2分待ってふき取ると…

ワトコオイルの色落ち

水を垂らした箇所がほんの少し跡になっているのがわかりますか?ダイニングの床のような場所なら、オスモフロアを選ぶほうがいいかもしれせん。

また、オスモカラーは自然塗料としての安全性にも定評があります。佐古さんによれば「自然由来の成分からできた塗料は他にもありますが、オスモカラーは安全性をしっかり検証しているので安心です」。子ども用の家具や木のおもちゃなんかを塗るのにも良さそうですね。

ブライワックスは磨いてツヤを出すのがポイント

3番目に試すのはブライワックス(BRIWAX)の「クリアー」です。

ブライワックスの「クリアー」

固まったハチミツのようなワックスは、先の2つのオイル系塗料とはかなり見た目が異なります。

ブライワックスの見た目

佐古さんによると「木の中に浸透するオイルとちがい、ワックスは表面にもとどまって油膜を張ってくれる」のが特徴なんだそうです。

ブライワックスをウエスに

半固形状なのでハケではなく、ウエス(不要になった綿Tシャツなどで可)に塗料をつけて木材に塗り込んで塗装します。

ブライワックスを塗る

木目に沿って延ばしていきましょう。固形ですが、思ったよりムラはできにくいです。

ブライワックス塗装後

先ほどのワトコオイルやオスモカラーにくらべて濡れ色が薄めで、よりナチュラルな色づき。ついでに、個人的に気になっていた「チーク」も試させてもらいました。

ブライワックス「チーク」

「クリアー」とは異なり、しっかりとした茶色がつきました。さて、ブライワックスはここからが大事。タワシを使って、表面をゴシゴシと磨くのです。

タワシで表面を磨く

すると、美しいツヤが出てきます。

ツヤがでた表面

左:チーク/右:クリアー(ともにタワシで磨いた後)

これがブライワックスの魅力。ただし「ツヤが出しやすい反面、強くこすると色移りすることもあるので、床材には向いていません」とのこと。長所は短所でもあるんですね。

3つの塗料の長所&短所のまとめ

最後に、塗装後の木材をならべてみました。

塗装後の木材。左からブライワックス、ワトコオイル、オスモカラー

左からブライワックス、ワトコオイル、オスモカラーです。同じ木材に塗りくらべてみると、塗装方法や道具、仕上がりのちがいがはっきりわかり、ぐっと理解が深まりました。

あらためてそれぞれのメリット&デメリットを簡単にまとめてみます。

【ワトコオイル】
長所:サラサラで塗りやすい、色を混ぜられる、少量から買える
短所:撥水性が弱い、完全乾燥までに24時間以上が必要

【オスモカラー】
長所:防汚と撥水に優れている、安全性も検証済み
短所:少量では買えない、塗り方にコツがいる

【ブライワックス】
長所:磨くことでツヤが出る、乾燥時間が短い
短所:強くこすると色移りする、広い面積だと磨いて仕上げるのが大変

初心者は、これらの特徴を理解して自分に合った塗料を選ぶのが大事でしょう。でも、デメリットを受け入れれば、あえての塗料選びもOK。

たとえば、佐古さんはご自宅のキッチンカウンターにワトコオイルを塗っているそうですが、水濡れによる色落ちはあまり気にせず、ラフに使っているんだとか。

塗料を選ぶ前にミキシングバーで体験してみるべし

言われてみれば、ツヤや質感、汚れなどは、人によって感じ方が異なるもの。ぶっつけ本番ではなく、事前にサンプルで試すのが断然おすすめです。

toolbox「ミキシングバー」

今回ご紹介したtoolboxのミキシングバーでは、塗料の特徴に精通したスタッフが相談にのってくれるので、気になったことをどんどん質問しながら塗料を試すことができます。

自前の木材の持ち込みもOKだそうですから、サンプル持参で訪れるのもいいですね。

toolboxの床材

toolboxでは床材も豊富にラインナップしていますから、それらのサンプルを選んでその場で塗ってみるというのもアリです。ワトコオイル、オスモカラー、ブライワックスのちがいをぜひご自分の目で感じてみてください。

【toolboxショールーム】
東京都新宿区下落合3-14-16
営業時間 火~土曜 13時~17時(日・月曜・祝日 定休)

Source: Sumai
ワトコオイル、オスモカラー、ブライワックスの違いをプロに聞く