内部結露、ゴキブリ…リノベ前の「マンション解体」で発覚した衝撃事実

マンション解体後の天井

リノベーションを行う際、「中古マンションは解体してみないとわからない」とよく言われます。実際のところどんなことが起きるのでしょうか?また、気をつけるべきことは?
リノベーション会社「EcoDeco」の社員で、8年住んだ築41年のマンションをリノベーションした経験を持つ岡野真弥さんに聞いてみました。

1.レンジフードの排気能力がイマイチだった理由

エアーダクト

岡野さんのご自宅マンションのキッチン排気は、外壁から屋外に排出するのではなく、AD(エアーダクト)という煙突のようなタテ穴を通じて屋上から排出するスタイルのものでした。

その場合は屋上にこのような形をした「自然排気ベンチレーター」があることが多いのだそう。

このスタイルの利点は、キッチン排気の能力が風向きに影響されにくい、という点です。

外壁面の穴から排出する場合、風がダクト出口に向かって吹くと排気を出しにくかったり、状況によってはそこから風が室内に吹き込んでくることもありますが、屋上から煙突で出すスタイルだとそのような風向きによる影響はなく、安定して排気ができます。

水まわり図面

そこで岡野家のキッチン排気ですが、図面で見るとこのようになっています。

ADスペース

そして解体後の実際の写真だとこんな感じ。こちらのADスペースは上下階に住んでいる人も一緒に使っているタテ穴(煙突)なので、他の部屋の排気が入ってこないように電動のシャッターが付いています。

その仕組みは、普段は閉まっていて、レンジフードのスイッチをONにするとシャッターが開いて排気される、というもの。ところが、解体した岡野家では、その電源コードが切れた状態のままで発見されました。つまり、全く作動していなかったのです。

レンジフードの電動シャッター

通常であれば電動で開くはずですが、電源コードが切れていた岡野家ではレンジフードから送り出す風圧のみでフタ部分が開け閉めされていたよう。

さらに、油でギトギトになって動きが悪く、棒で押してもほぼ動かないという状態……。岡野さんいわく、おそらく購入時のリフォーム工事がずさんだったのだろうとのこと。

今回のリノベーションで電動シャッターを新調し、レンジフードと連動するようにしたので、キッチンの排気力は格段に良くなりました。

2.壁の中から壁!?

岡野家はリフォーム済みの中古物件をリノベーションをしていますが、「不動産の販売業者としては、リフォーム費用を抑えて利益を多く出したい、というのが基本的な考えです」と岡野さん。

そのため、中には「内見の際に見える部分はきれいに仕上げるけれど、見えない部分は手を抜いてリフォーム費用を抑えよう」と考える業者さんがいるかもしれません。

上記したような、電動シャッターが電源につながっていない問題は悪質なので論外ですが、なるべく解体しないで(使えるところはそのまま活用して)済ませたい、というのはよくあること。

壁の中に壁

そして解体した岡野家では、なんと、壁の中から昔の壁が出てきました。元々の壁の前に新しく壁を立てて仕上げる、という手法なのですが、これだと壁が無駄に厚くなってしまうため、居住空間が狭くなってしまいます。

今回のリノベーションではすべて解体したので、予定よりも少し空間を広く確保することができました。

3.天井裏はゴキブリたちの大好きな場所だった!

岡野さんが住むマンションでは2018年夏に大規模修繕工事が行われ、外壁や屋上などの共用部がきれいになりました。そしてそれ以上の劇的な変化があったのは、ゴキブリの出現率。

大規模修繕工事後は、家の中で遭遇することがほとんどなくなったそうで、「半年に及ぶ工事によって逃げ出して行ったのかも」と岡野さんは話します。

天井

こちらはマンションの最上階にある岡野家の天井。最上階の場合、天井を撤去するとコンクリートではなく屋根の断熱材が出てきます。その断熱材、その名の通り保温性があって快適なのでしょう。

Gの卵

解体時に工務店に教えてもらって、たくさんの卵を目にしてしまった岡野さん……。ゴキブリの卵は「卵鞘(らんしょう)」というもので、1カプセルの中に20~40個の卵が入っています。断熱材に埋め込むようにして、その卵鞘がいくつもあったのだそう。

下階の方が出やすい印象もありますが、屋根があるゆえに断熱材が多い最上階も出現率は高いのかもしれません。

4.築古マンションは断熱がイマイチ…内部結露が実は怖い

マンションでは、天井をはじめ、外気に面している壁も断熱されているのが通常です。

ただ、昔は今ほどに省エネ意識がなかったり、当時の古い省エネ基準で建設されているので、現在スタンダードとされる断熱レベルには遠く及びません。

壁のカビ

岡野さんが住むマンションの壁面断熱もそのような状況だったようで、壁を壊してみるとカビの跡が……。写真は工務店がきれいにふき取った後のものですが、それでもまだ爪痕が残ります。

工務店の話だと、長年、壁の中で結露をしていたため、カビがビッシリ生えていたのだそう。

リノベーションは間取りを変えたり、仕上げを楽しんだりと、暮らしに合わせた住まいづくりという視点が注目されますが、配管を更新するのと同じく、断熱をしっかりやり直して快適な住空間を実現することも、とても大事です。

まとめ

内装の仕上げなど、暮らし始めてからでもできることは後回しでもいいので、配管や断熱など「今でしょ!」という工事は優先的に考えるべきだと話す岡野さん。岡野家のように、解体してみて初めて問題が発覚することはよくあります。

そんなときでも、リノベーション会社や工務店と相談しながら、そしてコスト投下の優先順位をしっかり考えながら、臨機応変に対応していきたいですね。

取材協力/EcoDeco

Source: Sumai
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