大人は1階でパーティ、子どもは2階で自由に遊ぶ。居場所がたくさんある家

ダイニングキッチン

東京に住んでいたとき長女の保育園入園待ちの人数が120人だったことがきっかけで、「東京暮らしはもういいかな」(夫)と、妻の実家のある岐阜に移り住んだ川口さん一家。しばらくは戸建ての賃貸住宅で生活していましたが、妻の実家近くに土地が見つかり購入。

設計は、妻同士が〝ママ友〞だった安江怜史建築設計事務所の安江怜史さんに依頼しました。「子どもが同い年だから子育てのことも分かっているし、過去の作品を見たらデザインが素敵で、こういう家になるのならすごく楽しみだなと思ってお願いしました」(妻)。

洗練された造作家具とシステムキッチンを融合

手持ちの家具のトーンに合わせた造作家具のようなキッチン

共働きで多忙な川口さん夫妻のために安江さんが提案したのは、手持ちのダイニングテーブルなどの家具とトーンを合わせてデザインしつつ、手元を隠してすっきり見せる造作家具のようなキッチン。

内部には、機能性に富むシステムキッチンを採用しました。玄関から荷物をサッと出し入れできる裏動線と、冷蔵庫も隠せるパントリーも備えています。

キッチン背面の壁は施主がDIYで塗装

ダイニングから見えるキッチン背面の壁は、オーストラリア生まれの高級塗料、ポーターズペイントを採用し、施主がDIYでペイント。独特の色みと質感が、インテリア性を高めています。

ダイニングから見たキッチンとリビング

ダイニングから見たキッチンとリビング。床やダイニングテーブル、テレビボートとキッチンをオークで統一し、一体感のある空間に仕上げています。

造作の収納棚

キッチンカウンターのダイニング側とキッチン背面に造作の収納棚を設置。見た目の美しさと片付けやすさを両立しています。キッチンカウンターのダイニング側には、奥行きの浅い収納を設置。お酒のボトルがちょうど収まるので、晩酌にもピッタリ。

玄関からキッチンへつながる裏動線

キッチンから玄関への動線

正面のカーテンの向こうはパントリーで、その奥は玄関収納につながっています。ダイニング側を通らなくても荷物をサッと片付けられるので、冷蔵庫に買ってきた食品をしまうのもスムーズです。

キッチン背面の腰高の収納棚

キッチン背面には、ダイニングから見えない腰高の収納棚を設置。引き出し式なので、食器の出し入れもラクラクです。

キッチンの奥のパントリー

キッチンの奥にはストック食品や冷蔵庫を収納するパントリーを設置。玄関収納とつなげて、裏動線も確保しました。

カワジュンのキッチンハンガーを設置

カウンターの内側にはマルチに使えるカワジュンのキッチンハンガーを設置し、キッチンペーパーなどをスマートに収納できるようにしました。

熱源が3つ横並びになったIH調理器

IH調理器の手前スペースで料理を盛り付け

「特に気に入っているのが、熱源が3つ横並びになったIH調理器。手前のスペースが広いので、お皿をバーッと並べて盛り付けられます。片付けが苦手なので、キッチン内が見えないのもいいですね」と妻。朝食を担当する夫も使い勝手に大満足だといいます。

家のいろいろなところに、楽しい遊び場を確保

リビングの一角にある遊び場

「楽しい家にしたい」(妻)との要望に応えて、リビングの一角に床を2段下げた遊び場を設置。小さな子どものいる家では段差はNGなケースも多いですが、「面白いことを優先。ソファから飛び降りて遊んでいます」(妻)と、楽しい遊び場として大活躍。箱状の階段は可動式で、テーブルにも椅子にもなって便利です。

玄関側から見たLDK

玄関側からLDKを見たところ。リビングの木製サッシを開けると、玄関に風が抜けます。

リビングにあるハンモック

リビングとつながる中庭は、夫の念願だったBBQが楽しめるスペース。ハンモックも子どもたちに大好評。

リビングの吹き抜け上部にあるロフト

リビングの吹き抜け上部には、2階子ども室から行き来できるロフトも設けました。こちらも子どもたちに大人気のスペース。壁面は石灰入りのポーターズペイントで、こちらもDIYで塗りました。

フレキシブルに仕切ることができる子ども室

子ども室は、将来は仕切って使うこともできるフレキシブルな空間。右上に見える電動のトップライトで通風、採光を確保しています。

リビングの吹き抜け

リビングの吹き抜けを介して2階子ども室の気配が伝わります。

中庭に面した洗面室

中庭に面した洗面室。シンプルで洗練された洗面台もミラーキャビネットも造作しました。

上品な内装のトイレ白×木の内装が上品なトイレ。木を用いたタオルハンガーとペーパーホルダーは設計の安江さんによるデザインです。

浴室の脇にある家事室

浴室の脇に設けられた家事室。窓の外は物干し場で、室内干しも可能。左手奥には洗濯物を畳んだりアイロンを掛けたりできるL字型のデスクも設置されています。

シンプルな三角屋根のかわいい外観

三角屋根がかわいい外観

敷地は、間口6.7mに対して奥行きが26mと南北に細長く、南には3階建ての住宅があり、西側は駐車場に面しています。そこで安江さんは、窓を最小限に抑えて周囲からの視線を避けつつ、中庭やトップライトから光と風を取り込む開放的な住まいを提案しました。

シンプルな三角屋根がかわいい外観は、妻のリクエスト。内部にも屋根の形状がそのまま表れていて、「2階の寝室は山小屋のよう。天窓から入る朝日もとても気に入っています」(妻)

半透明のガラスと木製引き戸で開放感を感じさせる玄関

半透明のガラスと木製引き戸が開放感を感じさせる玄関。

「この家ができてから、友人たちを招く機会が格段に増えました。招きたくなるし、自然とみんなが集まってくる。それがうれしいですね。子どもたちは2階で勝手に遊んでくれるので、親たちは1階でゆっくり飲めるんです(笑)」と夫。バーベキューも楽しめる中庭と一体化したLDKは、大人数でのパーティもラクラク。いろんな居場所があって、大人も子どもも楽しい住まいが実現したようです。

設計/安江怜史(安江怜史建築設計事務所)
施工/丸桂和田木材
取材/松浦美紀
撮影/日紫喜政彦
※情報は「住まいの設計2019.04月号」掲載時のものです。

Source: Sumai
大人は1階でパーティ、子どもは2階で自由に遊ぶ。居場所がたくさんある家