排水管から水漏れ、工事代金はいくら?保険の適用は?<大家の事件簿>

洗面所のイメージ

WorldWideStock / PIXTA(ピクスタ) ※写真はイメージです

マンションで起こると大変なのが水漏れ。入居者の生活に支障をきたしますし、原因の特定にも手間がかかる厄介なトラブルです。

ライターのアサクラさんが管理するマンションでは、以前古い浴室のタイル壁が劣化して水漏れしたことがあったそうですが、今回は排水管の破損が原因で水漏れが起きたそう。復旧工事の手順や工事代金、保険適用の可否などについて詳しく聞きました。

水漏れが起こったのは排水管の「継手」部分

事の始まりは、入居者さんからのLINEの連絡でした。天井のダウンライトからポタポタと水が落ちてきて、光も弱くなっているとのこと。

水漏れの量は多くないので緊急事態とまではいきませんが、電気が絡むと漏電が怖いのでダウンライトは使用しないようにお願いして、翌日、お世話になっている業者さんに現場を確認してもらうことになりました。

困ったことに、今回水漏れがあったのは廊下から洗面にかけての天井で点検口などが一切ありません。天井裏を見ることができなければどうしようもないので、まず点検口を設置するところから始めます。

養生した現場

水道管が相手ということもあり、養生は厳重です。

天井の点検口

点検口が開きました。点検口を設ける際に切り出した天井にも、はっきり水漏れの跡が残っています。

天井裏の漏水跡

点検口から中をのぞいて水道管を確認してみました。

排水管の掃除口

素人目にはどこに問題があるのかわかりませんが、よく見ると排水管に水が流れた跡があります。

排水管の掃除口に水が流れた跡

水の跡が残っているのは、水道管が直角になった継手の部分についている掃除口です。

排水管の掃除口の図

図で示すと、この部分。ここが水が漏れた場所のようです。

排水管の掃除口を取り外す

この掃除口を取り外してみると、見事に穴が開いていました。

排水管の掃除口に開いた穴

原因は経年劣化による破損だそうです。何十年もかけて、配管が腐って小さな穴が開いたのでした。

水漏れ復旧工事は入居者の協力が不可欠

続いては排水管を新しく交換する必要があるのですが、ここからは水道屋さんの仕事。幸いスケジュールの調整がうまくいき、翌日に工事ができることになりました。

平日なので入居者さんはお仕事ですが、僕が立ち会うのを条件に留守中の工事を快諾していただけました。問題は、翌日までの水漏れをどう防ぐかです。

配管の穴には応急処置的にテープを巻いてもらい、穴の下にバケツを置きます。同時に、上の階にお住まいの方にもご協力いただき、明日までは極力排水量をおさえていただくことになりました。

留守中の工事も、水道の使用をおさえていただくのも、嫌がられてもおかしくありませんが、どちらの入居者さんともふだんから親しくさせていただいていることもあり、イヤな顔ひとつせずにご協力いただけました。

賃貸マンションを経営していていつも思うことですが、トラブルの対応はスケジュールの調整や業者の手配と同じくらい入居者の協力が大事なのです。ふだんから良好な関係を築くことの大切さを実感する出来事でした。

新しい掃除口

水道屋さんの配管工事は比較的短時間で終わり、水漏れのあった掃除口と周辺の排水管が新しくなりました。

復旧したダウンライト

ダウンライトも新しいものと交換して、めでたく工事完了。

過去の水漏れ事故でも同じ場所から水漏れが

こうして水漏れの復旧工事は完了したのですが、水道屋さんが工事中につぶやいた言葉が気になりました。「こういう水漏れって、一度起こると続くんだよねえ…」。

今回の原因は経年劣化ですから、同じ時期に設置された他の排水管も劣化していてもおかしくありません。そこで、うちのマンションの過去の工事記録を調べてみました。

すると、僕がマンションの管理を引き継ぐ前年にも同じような水漏れ事故があったのです。

過去の漏水現場

これはそのときの現場写真。天井付近から漏れ出た水が壁を伝って落ちてきたのです。原因は、ユニットバスの天井裏の排水管でした。

天井裏の排水管から漏水

今回と同じく、排水管の継手にある掃除口が破損して水が漏れたのだそうです。

劣化した排水管の掃除口

後日、水道屋さんと会った際に話を聞いたところ、配管の継手や接合部はとくに破損しやすい場所だと教えてくれました。

遠くない将来、老朽化が進むうちのマンションでは同じような水漏れが再発することはほぼまちがいないので、今後はこの点に注意しながらなるべく早い対応をこころがけたいと思っています。

水漏れ工事の代金と保険適用の可否について

最後に、修理代金と保険についてまとめておきましょう。まず、最初にご紹介した水漏れ事故の復旧代金からごらんください。

漏水修理代金の見積もり書

45,360円でした。排水管の修理に加え、点検口の設置やダウンライト(支給品)の交換作業の料金も含まれています。

先代のときに発生した漏水修理代金の見積もり書

一方、先代のときに発生した水漏れ事故の工事代金はこちら。87,000円でした。水漏れではがれたクッションフロアの張り替えと、水を吸って割れ目ができてしまった壁の補修工事代金を含んでいます。

水漏れの復旧は配管自体の修理よりも、水漏れに伴う内装の汚損や破損を復旧することにお金がかかり、その内容に代金が左右されます。マンション経営者としては火災保険を利用して工事代金を補てんしたいところですが、残念ながらそれはムリ。

基本的に火災保険は水漏れにも対応しているのですが、それはあくまで「偶発的に発生した事故」の場合です。今回ご紹介した2つのケースは経年劣化による破損が原因なので、保険の適用外となります。

築古マンションの管理はなにかと出費がかさむなとあらためて思い知らされました。

Source: Sumai
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