「STANDARD TRADE.」渡邊謙一郎 VS「工房イサド」本田淳が対談<植物のこと、今後のこと>

「STANDARD TRADE.」代表渡邊謙一郎さんと「工房イサド」本田 淳さん

ナラ材を使った端正なオーダー家具に定評のある「STANDARD TRADE.」代表の渡邊謙一郎さんと、「工房イサド」として家具や木工品を製作する本田 淳さんの対談が実現しました。

対談の舞台となったのは、STANDARD TRADE. 山手ショップ。この二人は二十数年前、東京・品川の職業訓練校(現・東京都立城南職業能力開発センター)でともに木工技術を学んだ同級生。家具づくりのことをはじめ、植物のこと、お互いの今後について大いに語り合いました。

「植物って手強いなとつくづく感じる」(本田)

店内で話をする渡邊さんと本田さん

本田:うちは農家の住宅だった建物をリノベーションしたから、栗や柿、梅、柚子などたくさんの木があって、庭がすごく広いんです。庭を持つようになって、植物って手強いなとつくづく感じています。かといって除草剤などで抑え込むようなことはしたくないし、なかなかベストな形が見つからなくて模索しているところ。でも、コントロールしない庭というのも悪くないかなって思っています。半分言い訳ですが(笑)。

絵を眺める渡邊さんと本田さん

渡邊:最近縁あって、長野県・蓼科の山にある1700坪の土地と小さな小屋を譲ってもらったんです。先日そこの草刈りと枝払いをしてみて、植物ってこうやって根を伸ばしているんだ、とかこんな順番で生えてくるんだ、とかいろいろな発見があって。同時に自分のやっている仕事が、すごくこねくりまわしているというか、めんどくさいことをやっているなって思えてきて。

本田:植物という視点から見ると、家具って植物の最後の状態を形にしているってことなんだよね。だから最後の抵抗で割れたり、反ったりして暴れるのかなって思うことがあります。

「家具はシンプルに、そのまま使ってみてほしい」(渡邊)

過去の記事を見る渡邊さんと本田さん

本田:今後やってみたいことってある?

渡邊:小さなステーキハウスをやりたい! ステーキって、そこそこのお肉を焼き方云々省いても、その場で焼いて食べれば絶対に美味しい。家具もそんなふうにシンプルに、僕らしくつくったものを、機能云々なしで、そのまま使ってみてほしい。でも、こうしてメディアなどに出させてもらっている以上は、何かしら影響を与えられるような存在でありたいとは思っています。

工房イサドが製作した民泊物件の下足箱

本田:最近よく考えているのは、家具ではなく「家の具」をつくりたいということ。例えばお皿とかスプーンとか小さな鏡とか、暮らし全般を楽しく彩るようなものをつくっていけたらいいなと。そこに、工房イサドらしいユーモアをプラスできれば。ちなみにこれは工房イサドが製作した民泊物件の下足箱。銭湯の下足箱の木札鍵や古材を再構成したもの。

渡邊:職業訓練校(現・東京都立城南職業能力開発センター)での1年間、ほんと濃かったよね。

本田:1年間だけど濃密だった。授業の後は毎晩のように飲んでけたど(笑)。

渡邊:そこが原点というか、目指すところなのかも。きちんとした知識があるかどうかは、やはりつくったものに表れると思う。

渡邊謙一郎さん

渡邊謙一郎さん
1972年生まれ、横浜育ち。1998年、26歳のときにSTANDARD TRADE.を設立。ナラ材を使ったオリジナル家具のデザイン、製造、販売、メンテナンス、買取までを一貫して行う。住宅や店舗の内装なども数多く手掛ける

本田 淳さん

本田 淳さん
1968年東京都生まれ。「工房イサド」として家具や木工品を製作。無垢材のテーブルや椅子から器やスプーンなどの暮らしまわりの道具、古材の額やオブジェまで幅広い

STANDARD TRADE山手SHOP

【STANDARD TRADE.】
玉川SHOP/東京都世田谷区玉堤2-9-7/03・5758・6821 山手SHOP/神奈川県横浜市中区山手町100/045・263・6555
撮影/飯貝拓司 ※情報は「リライフプラスvol.34」取材時のものです

Source: Sumai
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